消えたクリムトの肖像画『フロイライン・リーザ』が再びお目見え❗️

クリムト

写真引用 Kurier

昨日、センセーショナルなニュースがウィーン中を駆け巡りました❗️

これまで、専門家の間では白黒写真でしか知られていなかった、紛失したと思われていたグスタフ・クリムト絵画『フロイライン・リーザの肖像画』が木曜日、ウィーンのキンスキーオークションハウスで公開されました。クリムト大ファンの私にはものすごく嬉しいニュースです。

「フロイライン・リーザーの肖像画」は1917年に制作されたクリムトの晩年の作品の一つです。100年近く行方不明になっていましたが、その間ずっと個人が所蔵していたそうです。持ち主はもちろん公開されてません。(保存状態もよく、無事で何より)

140✖️80センチの大きさの絵画は、晩年のクリムト作品らしくカラフルですけど、顔がほかの作品よりよりリアルに描かれていますね。赤い背景に品よくポーズをとるこの夫人は色彩豊かな色の花の模様が中についたコートを着ています。

実はこの絵画

4月24日、キンスキーオークションに出品されます。その推定額は3000万ユーロから5000万ユーロから始まるようです。近年のクリムト落札額から想定しますと4000万ユーロから7000万ユーロぐらいになるのではないでしょうか。

※3000万ユーロは現在日本円で48億3千万です。

100年ぶりに行方が判明と思ったら、オークションに出品されるのも凄いですね。

クリムトは1915年に肖像画を描き始めたようで、肖像画のリーザは彼のアトリエにモデルとして何度も訪れています。1918年、クリムトが亡くなった後、残念ながら部分的にまだ肖像画は未完成のまま、依頼主の元へ行きました。

これまで専門家らは、クリムトが実業家アドルフ・リーザーの娘、18歳のコンスタンテ・マルガレーテ・リーザーを描いていると考えていました。しかし、今回のオークションハウスの調査により、別の可能性も明らかになりました。アドルフの義理の妹ヘンリエッテ・リーザ=ランダウが依頼した彼女の娘の可能性もあるのです。

専門家はどちらの女性が書かれたものか、調べるのはもう不可能だそうですけど。。。

写真引用 Kurier

上の白黒の写真は1925年にこの肖像画が展示会で出品されるために、撮影されたもので、ネガは現在国立図書館に保管されています。結局、この肖像画は展示会に出品されておらず、在庫カードには、「1925年、Argentinierstrasse 20、リーザー IV 夫人所有」と記載されています。この住所はヘンリエッテ・リーザーの住所となっています。

写真引用 der standard

その後、この肖像画の行方はわからなくなっていました。絵画の最後の所持者であるヘンリッテ・リーザ=ランダウは1943年アウシュヴィッツ収容所で亡くなっています。

オーストリアがナチに併合時代も肖像画の行方は不明です。しかし、 調査ではナチの不法没収、略奪された証拠はなかったと関係者は述べていますので、アデーレ・ブロッホバウアーの肖像画のようにまた所有権利者が現れて返却ということにはならないかと思います。

確かなことは、前述したように、「フロイライン・リーザーの肖像」が多くの疑問があるにも関わらず、いきなりオークションに登場したということですね。

関係者は「いつ、どこで購入され、転売されたのかは分からない。調査することは不可能だった」と語っています。現在の所有者は2年ほど前に遠縁の親戚から譲り受けたとの事。数世代にわたって現所有者の一族に受け継がれ、1960年代半ば頃からはウィーン近郊の別荘のリビングルームに置かれていたようです。なんと贅沢な空間だったのでしょう。。

絵画が作成された時から一度も一般公開されていないこの肖像画は、世界的に見たら比較的小規模なオークション会社であるキンスキーに出品される前に、スイス、ドイツ、イギリス、香港でも公開されます。

写真引用 Kurier
 サザビーズでもクリスティーズでもなく、キンスキーオークションに出品されるこの肖像画。今回はどなたが落札するのでしょうか。。乞うご期待です(ベルベデーレ宮殿に展示されて欲しいものです)

クリムト最晩年の肖像画「扇を持つ婦人」が136億円で落札❗️

尾形光琳の影響を受けたクリムトの画法

1900年のフォトショップ!クリムト ソーニャ・クニップス婦人 

コメント

タイトルとURLをコピーしました