盗まれた「サリエラ」驚きのエピソードとは!

美術史博物館

ウィーンでは毎日のように34度や35度という猛暑が続いています。こんな時は、ウィーン美術史博物館が最高の避暑観光スポットです❣️なんといっても冷房が効いていて、快適さ抜群です。

さて、今回は美術史博物館のおすすめ作品として、名画だけではなく、クンストカンマーの展示室にある「サリエラ」をご紹介したいと思います。この作品は、イタリアの職人ベンヴェヌート・チェリーニが作った、まさに「彫刻のモナリザ」と呼ばれる黄金の塩と胡椒入れです!なんだか豪華ですよね?実はチェリーニがフラソワ1世に注文を受けて制作したものですから、豪華絢爛な出来栄えは納得です。

写真では大きく見えるかもしれませんが、実際のサイズは高さ26cm、幅33.5cmです。この作品には海の神ネプチューンと地球の女神テルスの2人の神々が見えています。ネプチューンは三叉槍を持ち、その横には船の形をした塩入れがあります。一方のテルスの隣には胡椒入れとしての寺院があって、周りには陸上の動物や花や果物がデザインされています。

チェリーニ自身の言葉によれば、この作品は海と地球のつながりを表現するために、あえて足を組み合わせて座らせ、一方の足を真っ直ぐに伸ばし、もう一方の足を曲げて山と平野を象徴しているのだそうです。

ちなみに、このサリエラは2003年に盗まれており、3年後に無事に戻ってきています❗️盗んだ犯人の名前はロベルト・マングという当時47歳の男性で、なんと、彼はセキュリティー会社を経営していました。

ある日、マングは退屈しのぎに美術史博物館を訪れたのですが、イタリア語が話せる彼は、イタリア語のツアーに参加していました。別に美術品に興味があったわけでも盗みを働くつもりがあったわけでもなかったそうです。実は彼はイタリア人の若い女性に興味を持っていたんだとか(笑)。まさかの動機ですね!(しかも既婚者w)その際にセキュリティーの欠陥に気付いてしまったようです。

彼の会社では15年前から使われていないセンサーや防弾ガラスのセキュリティーの問題、さらに美術史博物館の外装修復中で足場が組まれていたという不運も重なっています。

事件当日の夜、彼はディスコにいました(47歳でディスコに行く❓と私に突っ込まないで下さいませ。事実のみを皆様にお知らせしています(笑))その際に博物館のセキュリティーの欠陥を思い出し、美術史博物館へ向かいました。そして足場に登って建物に侵入し、窓をこじ開けてサリエラを盗んだのです。驚くことに約46秒で侵入して1分もかからずに盗んで逃げ出したんだとか。。。家に戻った後は金色の宝物をベッドの下に隠していました。

美術史博物館の警備員は、セキュリティーのブザーが鳴ったことは一度あったものの、風の仕業かと思い、確認に行かなかったそうです。次の日、清掃の方が発見し、事件が発覚しました。

マングは翌朝のニュースで盗んだ品物、サリエラの値段が3000万ユーロから5000万ユーロとだと知ったそうです(現在は6500万ユーロと言われています)しばらくして彼は森の中に埋めて隠していたんですが、ある日新聞記事を読んでアイデアが浮かびました。それは身代金を要求することです❗️

彼は携帯を購入して脅迫のメッセージを送りました。もしも、支払わなければサリエラを溶かして、その様子をビデオに撮影すると書いたのですね。ですが、購入した後、その場で脅迫状を送る瞬間が携帯ショップの防犯カメラに記録され、公開されてしまったのです。その後は自首をしました。

ちなみに、マングはイケメンでしたので、顔が公開された後、女性のファンができ当時は話題にもなっていました。なかなかの逸話ですよね。

現在は美術史博物館のセキュリティーはかなり厳重になっています。
美術史博物館でサリエラを鑑賞されるときは、このエピソードも思い出してくださいませ。

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