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ワッペンの装飾が美しいドイツ騎士団教会

 

ウィーンの旧市街地、ステファン大聖堂のすぐそばにドイツ騎士団があります。

ドイツ騎士団はヨーロッパ三代騎士団の一つで、12世紀に第三次十字軍遠征でキリスト教徒がエルサレムを奪還したため、巡礼者を保護するために野戦病院が設立された事が起源です。

現在はウィーンを本拠地として、慈善活動などを行なっています。モーツアルトがお好きな方は、モーツアルトとザルツブルク大司教が衝突し、モーツアルトがフリーランスとしてウィーンを過ごすことになったお話をご存じかと思います。このドイツ騎士団の家がその舞台です。

ドイツ騎士団の家にある教会について、日本語で詳細が書かれているものが少ないかもしれませんので、今回は上品で大変美しいドイツ騎士団教会について、次回ではモーツアルトのエピソードをご紹介したいと思います。

ドイツ騎士団の教会内部と主祭壇

1326年~1375年にゴシック様式で建設された教会は14世紀の終わりに火災のため全焼し、現在残っているのはとがった塔だけです。当時、内部は長方形の細長い身廊で、壁が薄かったために、小さな窓がつけられました。18世紀に現在みられるバロック様式の楕円形の部分を増築しています(1945年には爆弾を受けたために、修復されています)

細長い主祭壇画はシュテファン大聖堂と同じく、当時売れっ子だったトビアス・ポックによって1667年に描かれた作品です。絵画の構成もよく似ていますので比較をすると面白いかもしれませんね。

主祭壇画には、赤ん坊のイエスを膝に抱いたマリアが中央に置かれ、イエスは聖エリザベートに戴冠している様子が描かれています。聖エリザベート実在の人物で、貧しい人や病人のために施設を設立した女性です。ドイツ騎士団が彼女の死後4年後に聖人にする事に成功しています。

また、聖ゲオルグ、聖ヘレナの姿も確認できます。

天界には父なる神、精霊が描かれていますね(この構造がトビアス・ポックらしいので要チェック)

祭壇の下にある彫刻が施された見開き祭壇は1520年にベルギーにあるマリア教会のために制作されたもので、1864年にウィーンへ運ばれました。三位一体の彫刻と、イエスの生涯が刻されており、こちらも精密で大変美しい祭壇です。

思わず息をのむ壁に装飾された80のワッペン

この教会の見どころは何と言いましても壁に装飾されている色鮮やかな80以上ののワッペンです。

紋章(ワッペン)は刀礼により騎士団の一員なった騎士が、誓いの印として自分が所属する教会に『誓いの盾』として紋章のついた盾を教会の壁にかけるのが習慣でした。誓いでは、生涯独身、私財放棄をして神に忠実を誓います。

紋章は元々、戦いの際、敵、味方の区別をつけるために盾につけられた印です。ですから紋章のデザインは盾に収まるような形をしています。

また、メンバーが盾を所有している事から、ドイツ騎士団のメンバーは戦場で戦う騎士修道士であることがうかがえます

まるで装飾のために埋め込められたように、壁に掛けられている盾は、小さい面積の教会内部を、上品な雰囲気にしています。中世の時代に使用された本物の美しい盾は、時間を作ってみる価値が有ります。

ステファン大聖堂のそばにありますが、入り口がわかりずらいため、場所を調べてから行かれることをお勧めします。

ドイツ騎士団 Deutschordenskirche “St. Elisabeth”
住所 Singerstraße 7, 1010 Wien

 

 

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