写真引用 wien info
16歳で皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と結婚し、60歳で無政府主義者ルイージ・ルッケーニに暗殺されたシシィの愛称で親しまれるエリザベート。死後125年経った今も、彼女のイメージは「美貌」「悲劇的な運命」で語り継がれています。
ウィーン市は、この状況を変えたいと考えました。
そこで、2023年3月1日より31日までの国際女性デーの期間に、後世に作られたシシィの従来のイメージを打破し、もう一つの姿(本来のともいえますが)に焦点を当てる企画として、シシィ博物館、家具博物館、インペリアルホテルにある有名なエリザベートの肖像画を【別の新しいテキスト肖像画】で覆いました(肖像画オリジナルはシシィ博物館)
「美貌」「豊かな髪の手入れ」「豪華なドレス」「鬱病」「過度なダイエットによる摂食障害」「異常なまでの運動」「不倫」そして「永遠の若さを保つ執着」といった定番キーワードの影に隠れがちな、シシィの本質―を皇妃であり、母であり、変革者――に目を向けてもらうことを目的としています。
一体、美しさの身に異常な執着を持ったシシィ像はどこから生まれたのでしょうか。
幼い頃のシシィは美の追求に興味がありませんでした。皇室に嫁ぎ、彼女の美しさのみが必要とされたことを知ったのです。50年台の映画『プリンセス・シシー』とミュージカル『エリザベート』の成功を通じて世界中でカルト的な人気となったシシィは、1865年、ヴィンターハルターによって描かれた肖像画が神話『シシィ』がアイコンとなり、その美しさへの追求のみが世界に伝わっていきました。
しかし、シシィは多くの遺産を残しています。
「新しい肖像画」にはシシィに関するあまり知られていない事実、たとえばその遺志により遺産から得られる利益を難民支援に利用する事、ハンガリの独立を支持した強い意志、勉強熱心だった自分、自分自身が怖がらない女性でいる、自分の理想のために立ち上がるなど、女性が社会の装飾的な役割でないと言うシシィの本質が英文の詩として書かれています。
テキストの肖像画は、詩を書くことへのシシィの大きな情熱に沿って、詩の形で書かれています。
これまでのシシィに対する見方が変わりましたか?
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