遊び心いっぱいの現代建築クンストハウスカフェ

クンストハウスカフェ

今回は歴史的な背景のウィーンとは一味違う、カラフルで遊び心がいっぱいの『クンストハウスカフェ』をご紹介しましょう。

『クンストハウス』は、フンデルトヴァッサーの絵画を常設展示するために建てられた美術館です。以前は、トーネット兄弟の家具工場として使用されていた建物を、フンデルトヴァッサー自身が基本構造は出来るだけ残して増改築の設計をしました。

ガラスやメタル、レンガ、木材、陶器タイルでできたカラフルで不規則な要素が、かつては目立たなかった建物を特徴あるものに変貌させています。

フンデルヴァッサーは自然を愛した芸術家で、殺風景なコンクリーや定規で引いた直線などを嫌いました。それは『人間や生き物に表情があるように、建物にも表情がある』『自然の中に直線は存在しない』という強い信念のもと、自然と人間は調和しているべきであるというコンセプでされたユニークなものだったためです。

一階にはお土産屋さん、心地よい中庭に面したカフェ、ホアイエがあります。下の写真は、併設されているカフェの写真です。床を見ると、でこぼこしているのが分かりますか?

フンデルトヴァッサーがかつて話していた印象的だった言葉があります。

『ケルントナー通りで転んだ人がいますか?直線は人間を無能にする。目が見えない人や、不自由になった人から足の感覚まで奪わないでください』
※ケルントナー通りは、かつて石畳ででこぼこしていたのですが、現在は舗装されて真っすぐになっています

北海道生まれの私は、子供の頃、舗装されていない道や坂をぴょんぴょんとスキップしながら、怖がることもなく走ったり、歩いていたことを思い出します。でこぼこぶりを足の裏で感じ取っていたのですよね。


建物には260本のリンゴ、ナシ、などの木々が植えられています。フンデルトヴァッサーは都会で再び森の空気を吸う事が出来るように、屋根や道路に緑でいっぱいにしました。飛行機から彼の家を見下ろしても、緑が多く見つける事が出来ず、木々しか見えないです。

屋上には14万匹のハチも飼育されていて、年間約80キログラムのハチミツが生産されています。お土産屋さんでも購入できますので、こちらに来られた方は覗いてみてください。

窓の大きさもバラバラですね。

フンデルトヴァッサーは、人間には三つの皮膚に守られている。一つ目は皮膚、二つ目は洋服、そして三つめは建物である。窓は目に相当すると言って、窓には特にこだわりました。

ユダヤ人だったフンデルトヴァッサーは、ドイツがオーストリアを併合していた幼少の頃、地下室で隠れて暮らしていました。そういったことから、窓は外部を見る(監視)ための目だっだのでしょう。

それではカフェの中に入ってみましょう。

カフェの家具は19世紀から20世紀までこの建物が家具工場であったことを思い出させます。
会社の創立者であったミヒャエル・ーネッは組み立てられていない家具を顧客に届けるというアイディアを最初に思いついた人のです。イケアの前身です!

このアイディアのおかげでーネッ社の家具は日本を含む南北アメリカ、アジアに椅子を輸出しました。

各椅子のモデルにはシリアル番号があり、日本でもお馴染みのモデルは14番で一番人気だった椅子です。1860年から1930年の間に、世界中で14番の椅子は5000万脚も売れたのですから、組み立てる前に輸出するアイディアは画期的でした!

カフェ内で注文しても良かったのですが、お天気が良かったのでこの日は外でウィーン風アイスカフェを注文しました。このカフェは、全てオーガニックにこだわった美味しいケーキ、軽食は地元でも人気です。

ウィーンの伝統的なカフェも素敵ですが、クンストハウスまでいらしてフンデルトヴァッサーの作品とカフェを訪れてはいかがでしょうか。ウィーンの現代アート絵画、建築、両方をたっぷりと楽しむことが出来ますので、おススメです。

クンストハウスホームページ

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