ヨーロッパ最大の地底湖『ゼーグロッテ』

ウィーンの南の森

ウィーンの南の森は名所が点在しているため個人では周りきらずオプショナルツアーが催行されていますが、見どころが沢山あり大変人気の観光名所です。その中で今回は神秘的な『ゼーグロッテ(地底湖)』をご紹介します。

ウィーンから南へ約20キロ、車で30分ほど小さな村『Hinterbrühl(ヒンターブリュール)』にゼーグロッテの入り口があります。SEEはドイツ語で湖 GROTTEは洞穴という意味の通り、洞窟の中に泉があります。

観光用のために、目立つ入り口になっています。木のドアを開け洞窟に入ると狭く長い通路があります。

背の高い人は届いてしまう天井の高さです。下にはトロッコの線路が見えます。

しばらく歩くとみのと金づち作業をしているフィギュアーが見えてきます。1848年この土地の所有者であったフリードリヒは自分の土地の地下に泉を掘ろうとしたところ、石膏を発見ました。その時から石膏鉱山として採掘するようになりました。当時はダイナマイトがまだ発明されていなかったので全て手作業だったそうです。

後でわかりますが、アリの巣のように掘られています。

掘り起こした石膏をトロッコに乗せて運んでいたのは馬でした。この馬たちは洞窟の中で飼育されていたために視力を失い目が見えなかったそうです。

この洞窟内のかつての馬小屋の様子

1993年ゼーグロッテは映画『三銃士』の舞台として使用され、その時の牢獄のセットが残っています

石膏鉱山として64年間成り立っていた所、1912年に水脈を掘り当ててしまい、2000万リットルの水が流れ込んみ閉山しざる得なくなりました。20年間放置されますが、その後足場を整え観光名所としてスタートします。洞窟内は常に温度を9度に調節されているため、夏は肌寒く、冬は暖かく感じます。

第2次世界大戦中にナチがこの洞窟を発見し、ゼーグロッテの水をポンプでカラカラに汲み上げ、世界初のジェットエンジンを使用した戦闘機を製造する工場として利用します。働いていた人は強制労働者です。そのころの残骸が展示されています。

1948年から再び観光名所として経営され、現在に至っています。

石膏鉱山を採掘していた時の道具。沢山のカンテラやトロッコが見えますね。

階段を下り、ヨーロッパ最大の地底湖をボートで見学です。

正面には映画『三銃士』で使用されたボートが止まっていますが、周遊は普通のボートに乗ります。石灰分が多いため生物が生存することが出来ません。ですから水は濁りなく鏡のようになっています。

薄暗い中を静かにボートが進んでいきます。バックミュージックと風景がマッチし、神秘的な空間が広く続いています。この美しい景観が映画のシーンとして使用されるのが分かります。

船を降りると再び出口(入り口)へ戻ってきます。ナチに占領された悲しい歴史が訪れる方々を更に神秘的な気持ちにさせてくれるのでしょうか。ウィーンの南の森にあるゼーグロッテがこんなに美しいとは思わなかったと皆さん感動されます。

ウィーンにいらして時間が許すようでしたら、セーグロッテまで足を運んでくださいね。

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