ドナウ川沿いに沿ったメルクからクレムスにいたる約35キロメートルの地域ヴァッハウ渓谷
渓谷の斜面に広がるブドウ畑、中世の面影を残す廃墟のお城とデュルンシュタインの街、オーストリアバロックの総合芸術にたとえられるメルク修道院などがドナウ河と一体化し、壮大な景観を生み出してます。
『ナポリを見てから死ね』ではなく、『ヴァッハウ渓谷を見てから死ね』と叫びたいほど見事な絶景ハスネス湖世界遺産にも登録されています。
これだけでもバッハウ渓谷を訪れるに十分値するのですが、この地域はオーストリアワインでも一番有名なワイン地域なのをご存知ですか?
フランス、ドイツ、イタリアワインは日本でも有名ですが、オーストリアワイン???と思うかもしれません。
しかし、オーストリアではローマ時代からワインが作られ、ヨーロッパで3番の生産国です。その中でもヴァッハウ地域ワインの白ワインは絶品です。
日照時間に恵まれ、南斜面の山に段々畑になっている葡萄畑は、ドナウ河からの反射光も加わって糖度が上がり,夜の冷え込みが、豊かな酸を蓄えます。
そして、アルプスの山のアルカリ性の土壌。ドナウ河の恩恵と理想的な白ワインの最高品質を作り出す条件が整っている地域、それがヴァハウ渓谷です。
ほとんどが家族経営のワイン農家で、自慢の個性あふれるワインを生産しています。
また、ヴァッハウ渓谷では品質の高いワインを生産していくために協会を設立し、オーストリアワイン法とは別に独自の厳格な品質基準を設定しています。
毎年試飲をし、3種類の等級 『シュタインフェーダー』『フェーダーシュピール』『スマラークト』に分類されます。
お味はというと、高級感あふれる香りと口に含むと程よい酸味が広がるのに、ワインの味が食事の邪魔にならないというより、さらに引き立つ感じです。
素材にこだわりを持って作られたワインは単独で飲んでも勿論美味しいのですが、食事と一緒でも美味しく飲めてしまいます。そのため、オーストリア人は魚、肉に関わらず、白ワインを好んで食事に飲みます
その3種類の等級についてご説明したいと思います。
シュタインフィーダー(STEINFEDER)
シュタインフェーダーの名前の由来は、ヴァッハウ渓谷地方の石垣に生える野草『スティパ・ペンナータ』から来ています(上記の写真)軽い羽の草のように軽く、口当たりがよく、かつスパイシーで豊富なフルーティな辛口の白ワイン。
糖度15-17度の葡萄から作られ、アルコール度11.5度以下。値段も手ごろで6ユーロぐらいから購入できます。
フェーダーシュピール(FEDERSPIEL)
フェーダーシュピールとは、鷹狩りの時、鷹を呼び戻すために鳩の羽で作られた道具から由来していて、ヴァッハウ地方でも古くからよく使用されていたものです。
フェーダーシュピールワインは、シュタインフェーダーよりも、フルーティーでライムや梨のような香理がある辛口の白ワインです。
糖度17-18.2度の葡萄から作られ、アルコール度11.5-12.5度以下
現地の人がもっとも好んで飲むワインといっていいでしょう
スマラークト(SMARAGD)
スマラークトはエメラルド色のこと。エメラルド色のトカゲ『スマラークト』はヴァッハウ渓谷の良い畑の石垣にのみ出現するといわれています。
フルーツ感が前の2種類のワインより、はっきりとしていて、洋ナシや柑橘系のような香りに甘さを感じる個性的なワインです。天候などで年によっては、スマラークトが出来ない事もあります。
糖度18.2度以上のブドウからつくられアルコール度12.5%以上
飲みごたえのある高級なワインです。
この3種類のワインはウィーンのワイン専門店、スーパーでも取り扱っていますが、ワインが好きな方は、ヴァッハウ渓谷まで足を伸ばして、農家の方直販売のヴァッハウワインを堪能してください。
ヴァっハウ渓谷の街、デュルンシュタイン(DÜRNSTEIEN)のメイン通りでは、ワインをティスティング出来るお店が何軒かあり、見つけやすいですのでおススメです。
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